裁判所に破産申立てをおこない、免責許可決定が下りて自己破産ができるまでの流れを解説します。
自己破産は、裁判所を介しておこなう手続きですので、一定の期間を要します。(最短で3ヶ月、最長で約1年ほど)また、その手続き内容に不備があったり、申立てに虚偽があれば免責許可は下りずに不許可となります。
自己破産の流れと注意点を理解して申立てを検討しましょう。
破産申立て~免責許可までの流れ
自己破産は、自分の収入を超えた借金を抱えて返済不能になった人なら、誰もが自己破産を申立てれば免責許可を得られるという訳ではありません。
自己破産は、債権者がすべての債権を放棄しなくてはならないため、不公平が生じるケースがあります。そのため、これらの審査は厳正におこわれ裁判所が選任した破産管財人が介入して手続きを進めていきます。
自己破産を申立てる場合には、正確な申立て書類の用意とともに、虚偽の無い財産申告、すべての債務状況(取引履歴)を提出しなくてはなりません。
申立てに必要となる書類の作成、収集
裁判所に破産を申立てる際には、必ず提出が必要な書類があります。決められた書式に従って作成する書類と市町村の役所から取り寄せる書類など様々あります。
裁判所でも書類の作成手続きに関して教えてくれますが、それなりの予備知識が必要なのは言うまでもありません。
このような、事務手続きが苦手な方は専門家(弁護士、司法書士)に依頼すればサポートしてくれます。
- 《破産申立の必須書類》
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- 破産申立書
- 免責申立書
- 陳述書
- 債権者一覧表
- 資産(財産)目録
- 家計を示す書類
- 住民票
- 戸籍謄本
- 給与明細書の写し
- 源泉徴収票の写し
- 預金通帳の写し
- クレジットカード
裁判所に破産を申立てる
居住区を管轄する地方裁判所に破産の申立をおこないます。平成17年11月から免責の申立ても同時に手続きされることになりました。自己破産を申立てれば免責手続きも開始されます。
提出した書類は裁判所が細かくチェックして、問題なければ受け付け完了です。万が一、書類に不備や訂正があればその時点で申立は拒否され、正しく書類を作成し直し、再度日時をあらためて裁判所に提出します。
破産審尋(はさんしんじん)を受ける
審尋とは、裁判所での裁判官との面接のことです。提出した書類の内容や破産を選んだ理由など、自己破産に関する事情の質疑応答をおこないます。ただし、地域や裁判所によっては破産審尋が省かれる場合もあります。
同時廃止の場合
破産者に財産や資産が無い場合には、この段階で破産手続きは終了です。破産手続開始と破産手続終了が同じタイミングであることから「同時廃止」といいます。ほとんどの破産者が同時廃止に該当します。
少額管財の場合
破産者が財産や資産を所有している場合には、返済帳消しの代償として、これらの資産を債権者に分配しなければなりません。まず、裁判所が選任した破産管財人と面接をおこない財産・資産などについて質疑応答をおこないます。その後、債権者集会によって破産管財人より財産の収支などが説明されます。そして、免責許可に異議が無ければ終了となります。
免責許可の決定
免責尋問で「返済義務を消滅させるにふさわしい理由がある」と判断されれば免責が認められます。(免責許可の決定)
もし仮に、免責が不許可となってしまえば、自己破産は不成立となり借金は帳消しになりません。返済義務と借金は残ったままです。(免責不許可の決定)
免責の確定
免責が確定すると自己破産が成立となりますので、政府が発行している「官報」に破産者の住所、氏名が掲載されます。官報掲載後、およそ1ヶ月後に免責が確定し、返済義務は消え正式に借金が消滅したことになります。
自己破産の流れのポイント
自己破産の申立ての手続きをおこなっても、裁判所から「免責許可確定」が得られなければ破産手続は完了ではありません。したがって、借金返済義務は残ったままです。
自己破産の流れとポイントを理解して、申立てが無駄な手続きとならないようにしなくてはなりません。
まずは、ご自身の債務状況や収入、資産などを専門家(弁護士、司法書士)に相談して、自己破産の免責許可が確実なものになるかを相談の上手続きに入る方が良いでしょう。
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