過払い金は発生していても貸金業者に請求しないと戻ってこないお金です。思い切って借金問題の専門家に相談して、過払い金の返還を受けた事により苦しい生活から脱出できることもあるのです。
自営業の経営悪化により多重債務者になった人が、任意整理とともに過払い金請求をおこなったことで借金がゼロになり、さらに過払い金が戻って生活が改善したというケースを紹介します。
弁護士に過払い金を調べて貰った
今回の相談者は東京都の吉祥寺で雑貨屋を営むNさんです。Nさんは雑貨屋の経営悪化が原因で、生活費を補うために7件の消費者金融から総額310万円の借金を抱えていました。
6年間の返済期間を経て借金の総額を95万円まで減らすことができたのですが、雑貨屋を辞めることになりその後の返済が困難になりました。何か解決の手立てはないかと弁護士事務所を訪ねたわけです。
Nさんの場合、任意整理で借金を減額させることが可能でした。6年間、長期にわたり返済を続けていた利息を引き直し計算することで大幅な減額が期待されます。
過払い金が発生している可能性もあるため、上手くいけば借金の総額を帳消しにしたうえ過去に払いすぎた利息を消費者金融から取り戻すこともできます。過払い金の鍵となるポイントが「利息の設定」です。
利息の引き直し計算により過払い金が判明
弁護士は過去の返済履歴と利息の設定を確認するため7件の消費者金融に取引経過の開示を請求しました。Nさんの場合、消費者金融1件あたりの借入金額が30万~50万円なので法定利息は18%です。この設定を上回っていれば過払い金の発生が十分に考えられます。
取引経過を開示した結果、7件の消費者金融が29.2%で利息を設定していることが判明しました。29.2%の利息を18%に改めることで、11.2%の超過利息分を6年間にさかのぼり引き直し計算しなければなりません。
法定利息18%-29.2%=11.2%(払いすぎた利息分)
過去に支払った11.2%の利息分を引き直し計算する!
過払い金の内訳
引き直し計算の結果、消費者金融7件で108万円の過払い金が発生していることが明確となりました。全ての消費者金融に過払い金の返還請求を行わなければなりませんが、ここからは弁護士の本領が発揮される場面です。
一般的に、個人の債務者が過払い金の返還を消費者金融に請求してもスムーズに処理されるケースは少なく、弁護士の交渉によって過払い金が返金される場合がほとんどです。債務者本人の要求に消費者金融が応じなくても、弁護士や司法書士が債務者に代わって請求することで過払い金が返金される可能性は高くなります。
弁護士はNさんの返済履歴と利息の引き直し計算をもとに消費者金融に対して過払い金の返還を請求しました。請求から40日後、7件の消費者金融が過払い金の返還に承諾し、95万円あったNさんの借金は全て消滅。
さらには、108万円の過払い金を取り戻すことに成功したのです。
過払い金の返還により整理された借金の内訳
金融名 |
債務整理前の借金 |
債務整理後の借金 |
発生した過払い金 |
消費者金融A社 |
170,050円 |
0円 |
206,902円 |
消費者金融B社 |
133,400円 |
0円 |
180,402円 |
消費者金融C社 |
92,800円 |
0円 |
52,036円 |
消費者金融D社 |
210,000円 |
0円 |
260,050円 |
消費者金融E社 |
111,010円 |
0円 |
138,000円 |
消費者金融F社 |
142,369円 |
0円 |
196,000円 |
消費者金融G社 |
96,500円 |
0円 |
46,700円 |
合計 |
956,129円 |
0円(借金は消滅) |
1,080,090円 |
95万円の借金は全て消滅!108万円の過払い金がNさんに払い戻された!
過払い金の返還に成功したNさん
吉祥寺の雑貨屋を辞めて借金だけが残った私でしたが債務整理をお願いしたおかげで借金を精算することができました。はじめ、払いすぎた利息を過払い金の返還請求で取り戻すと弁護士に聞かされた時には「そんなことできるはずがない」と思っていました。
でも、95万円の借金がゼロになっただけでなく108万円のお金が返ってきたので求職中も家族を養うことができ大変助かりました。現在は新宿のデパートで雑貨コーナーの販売スタッフとして勤務しています。
借金を抱えたままだったら今頃は妻と子供に迷惑をかけていたと思います。もしかしたら離婚していたかもしれません。過払い金を取り戻したことで今の生活があるかと思うと、債務整理を相談して本当に良かったと感謝しています。
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