多重債務の返済をどうするか考える | 債務整理サーチ

多重債務を抱えてしまった場合には、よほど経済力が好転しない限り借金を完済するのは難しいと思って間違いありません。地道に働いて返済を続ければ何とかなると考えるのは楽観的です。

多重債務は収入と返済能力のバランスが崩れている

多重債務は出口の見えない迷路と同じです。例えば、200万円、300万円の借金を毎月9万円ずつ返済して、完済できるのは5年後。回数にして60回になります。

ほとんどの多重債務者が返済に行き詰まり早い段階で返済不能に陥ります。その理由はやはり高い利息が原因です。普通なら300万円借りて60回の返済であれば毎月5万円ずつになります。

しかし、貸金業者からの借金には高い利息がつくため、なかなか元金が減りません。毎月たくさん返しているつもりでも、実際にはおよそ半分程度、あるいは元本の3分の1程度しか返済できていなかったと言う事もあります。

返済だけの生活を5年間続けていくには、今よりも多くの収入アップが必要で、さらに返済を続けていくためには精神的苦痛に耐えなければならなくなります。

多重債務は、個人の収入と返済能力のバランスが崩れている状態です。多くの多重債務者が借金完済という出口にたどり着けずに諦める事になります。

多重債務になった時点で返済が難しくなる

借金の理由は人それぞれですが、多重債務になる原因は計画性のない借り入れに起因しています。
一般的に、借金の返済可能な額は収入の3分の1以内と言われています。（総量規制）この3分の1をオーバーすると収支のバランスが崩れて、いずれは返済に行き詰まることが予測されます。年収が300万円であれば返済可能な範囲は100万円が限度額でしょう。

年収3分の1以上の借金は元金の問題だけではありません。毎月の利息が大きな重荷となります。年利29.2％で50万円を借入れた場合のシミュレーションを目安にすると、利息が大きな負担になることは一目瞭然です。借入件数が3件になれば負担も3倍になります。

借入50万円　年利29.2％の返済シミュレーション

返済回数	返済額	利息	元金	債務残高
1回目	15,810	11,999	3,811	496,189
2回目	15,810	11,908	3,902	492,287
3回目	15,810	11,814	3,996	488,291
4回目	15,810	11,718	4,092	484,199
5回目	15,810	11,620	4,190	480,009
6回目	15,810	11,520	4,290	475,719
7回目	15,810	11,417	4,393	471,326
8回目	15,810	11,311	4,499	466,827
9回目	15,810	11,203	4,607	462,220
10回目	15,810	11,093	4,717	457,503
⇕　省略　⇕
50回目	15,810	3,629	12,181	139,043
51回目	15,810	3,337	12,473	126,570
52回目	15,810	3,037	12,773	113,797
53回目	15,810	2,731	13,079	100,718
54回目	15,810	2,417	13,393	87,325
55回目	15,810	2,095	13,715	73,610
56回目	15,810	1,766	14,044	59,566
57回目	15,810	1,429	14,381	45,185
58回目	15,810	1,084	14,726	30,459
59回目	15,810	731	15,079	15,380
60回目	15,782	402	15,380	0
合計	948,572	448,572	500,000	（単位：円）

このように50万円借りたのに返すときには約2倍になります。多重債務者の平均債務額は150万円～300万円ですが、いざ、利息を含めた実際の返済額を計算すると多重債務がいかに、返済困難になるかが分かります。

何とか計画通りに返済できると考えていても、人生には急な出費が必要になる場合があります。例えば、日常生活を送る中で、病気による治療費、友人や家族の慶弔費、車やバイクの事故・車検などいろいろな事が起こります。

また、場合によっては、ケガや病気、リストラ、倒産などにより働けなくなり、収入が途絶える事だって考えられます。

多重債務に陥ったら、まずは借金問題の専門家に相談することです。そして、借金を完済することが可能なのか？あるいは、債務整理を選択した方が良い？のか相談してみましょう。