【個人情報ダダ漏れ】自己破産したら官報にこんな風に載ります

kanpou

官報というものをご存知でしょうか?

国が発行する広報紙的な役割の新聞なのですが、その中身はあまり知られていません。
主な読者は政治家、公務員、企業の総務担当者とともに“ヤミ金、街金業者”などがあげられます。

官報メモ

政府が発行する「国の広報紙」、「国民の公告紙」としての使命を持ち、明治16年に発行されました。「省令」、「告示」、「規則」、「訓令」、「人事異動」、「国会時効」、「官庁報告」などの報告事項とともに、企業の合併広告、決算広告なども掲載されます。

行政機関が休みの日以外は毎日発行されており、報告事項が多く本紙に収まりきれない場合には号外も発行されます。

値段は決まっておらずページ数の多さにより上下します。ページ数が少ない号の場合には一冊100円程度の時もあれば、告示が増えて掲載事項が多い日には2000円を超える場合もあります。

編集・印刷は独立行政法人国立印刷局がおこなっています。全国47都道府県に必ず1箇所は官報販売所があります。(書店内で販売している県もあり)

また、インターネットでの有料閲覧も可能で、定期購読者は日付検索のみは無料、日付検索+記事検索 518円、定期購読者以外は日付検索が1,641円、日付検索+記事検索が2,160円です。(いずれも月単位)*発行部数は5万部程度と言われています。

破産者の個人情報も掲載される

このように官報は政府が発行する機関紙なのですが、なんと自己破産や個人再生など裁判所を介した債務整理の手続きをおこなう人の個人情報が掲載されてしまいます。

破産の場合には、以下のように、「申立時」、「手続き開始時」、「手続き終結時」に掲載されます。

・破産手続開始及び免責許可申立てに関する意見申述期間
・破産手続開始
・破産手続終結
etc

では、どのように個人情報が掲載されるのでしょうか?

「破産手続開始」の例

次の破産事件について、以下のとおり破産手続を開始した。破産財団に属する財産の所持者及び破産者に対して債務を負担する者は、破産者にその財産を交付し、又は弁済してはならない。

平成26年(フ)第◯◯◯号

千葉県船橋市西船◯丁目◯番◯号

債務者 山田太郎

1 決定年月日時 平成26年◯月◯日午後4時
2 主文 債務者について破産手続を開始する。
3 破産管財人 弁護士 田中一郎
4 破産債権の届出期間 平成26年◯月◯日まで
5 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日 平成26年◯月◯日午後3時 

   千葉地方裁判所民事第4部破産再生係

「破産手続終結」の例

平成26年(フ)第◯◯◯号

千葉県船橋市西船◯丁目◯番◯号

破産者 山田太郎

1 決定年月日 平成26年◯月◯日
2 主文 本件破産手続を集結する。
3 理由の要旨 破産管財人の任務終了による計算の報告を目的とした債権者集会は集結した

  千葉地方裁判所民事第4部破産再生係

なぜ?ヤミ金、街金が読者なのか

このように、官報には破産者や個人再生者の個人情報である本名、現住所が掲載されます。これらの破産者が、ヤミ金、街金業者にとってはターゲットとなるのです。

ヤミ金のは、市中の貸金業者からの借入れができなくなってしまった人たちが、最後にたどり着く場所です。借り手は金利がバカ高い違法業者と分かっていても止むに止まれず借入れしてしまうケースがほとんどです。

そのようなターゲットのリストはヤミ金業者にとっては、まさに宝の山というわけです。

「破産手続中なのに・・・なぜ?」と不思議に思いますが、残念ながら破産手続き中にも関わらず、ヤミ金から借りてしまう人が一定数いるのです。
ですので、DMを郵送すれば一定数の割合で顧客になってくれる可能性があるのです。

しかし、どのヤミ金も考えることは同じですので、破産者の家にはヤミ金からのDMだらけになります。(笑)その中から選んでもらうのはある意味熾烈な競争と言えますね。

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