おまとめローンで借金一本化しても結局は債務整理する人が多い理由
おまとめローンってどういうシステム?
おまとめローンとは、主に中小の銀行やネット系銀行が多重債務者向けに低金利で融資する金融商品です。(借りかえローンという名称で販売している銀行もあります)
そのメリットとして「多重債務がすべて完済できる」、「借金がおまとめローンに一本化できる」、「返済総額が今よりも減額できる」などを大きな売りにしています。
上手に生きるためのライフスタイルのfacebookページではお金に関する情報だけでなく、遺産相続、夫婦生活の問題、交通事故関連のニュースなど様々なコラムを更新しています。
記事を読み進める前に「いいね!」をよろしくお願いします!
通常は年収200万円以上の正社員への融資が原則でした。しかし、楽天銀行やスルガ銀行のようにアルバイトや主婦でも申込み可能だったり、審査を甘くする銀行も出てきています。また、最近では保証人も不要な銀行がほとんどになりました。
多重債務者にとっては、支払日が異なる借金を毎月バラバラに返済していくのは面倒なことです。また、借入れ先がいくつもある多重債務という状態は精神的にも大きなプレッシャーです。 それが、「借金が一本化できる」しかも「返済総額が減る」となると良いことだらけのように聞こえます。
しかし、果たして本当におまとめローンは利用者にとってメリットが大きい融資商品なのでしょうか?
まず、おまとめローンを販売している代表的な銀行は以下のとおりです。
銀行名 最大融資額 年率 融資条件 担保 保証会社
- 東京スター銀行: 1000万円 5.8~14.8% 給与所得者 なし (株)TBSキャピタル
- 楽天銀行: 500万円 4.9~14.5% アルバイト、主婦可 なし (株)セディナ
- イオン銀行: 700万円 4.8~13.5% 給与所得者 なし オリックス・クレジット(株)
- スルガ銀行: 500万円 3.6~14.9% アルバイト可 なし スルガ・キャピタル(株)
- オリックス銀行: *借り換え専用ローン「バンクプレミア」の新規受付終了
- ジャパンネット銀行: *「借入れおまとめローン」の新規申込み受付終了
これらのおまとめローンを販売している銀行のホームページには、そのメリットとして、以下の様なポイントを挙げています。
銀行が謳うおまとめローンのメリット
- 借金が一本化できる
- 返済日は毎月1回で済む
- 返済総額が軽減される
- 低金利の融資システム
- 保証人は不要
- 来店が不要
- 借入れ先への返済は、銀行がまとめて入金する(債務者が直接おこなう場合もある)
もちろん、ホームページ上にはデメリットは書かれていません。(笑)
そこで、「お金に困らない情報NAVI編集部」が「おまとめローン」の融資前と融資後のデメリットに関して調査しました。
おまとめローンの融資時のデメリット
- 確認提出書類が多い(運転免許証、健康保険証、パスポートの写し、サラリーマン:源泉徴収票、課税証明書、給与明細のいずれか 自営業:課税証明書、確定申告書のいずれかの写し
- 審査期間が長い(約1ヶ月)
- 審査が厳しい①(一定以上の収入が必要、主婦などは利用限度額が少なくなる)
- 審査が厳しい②(借入れが3社以上ある場合厳しくなる)
- 審査が厳しい③(過去に返済遅延や延滞があれば厳しくなる)
おまとめローンの融資後のデメリット
- 返済期間が長い(5年~10年)
- 過去に完済した消費者金融から借入れする人が多い(元の多重債務者に戻る)
やはり、融資申込み時の審査は通常のカードローンやキャッシングなどに比べて厳しいようです。また、借入れ額も大きくなるので返済期間がどうしても長くなりますね。 また、借入後に借金をしてしまう人が多いというのも気になります…
銀行の目的は何?
さて、銀行がこのおまとめローンを販売する目的が気になる所です。どのような目的があるのでしょうか?
この「おまとめローン」で銀行がターゲットとする利用者像は、借金は抱えているが、200万円以上の年収がある返済能力を備えた人で、さらに返済遅延が無く貸し倒れリスクが少ないという利用者です。
債務者の中でも、毎月コツコツと返済を続ける信用力がある人のみに融資をおこないます。 銀行としては、利息が低いので利益は少ないですが、返済期間が長期間に渡るので、利用者から長期に渡って利息を搾り取ることができるビジネスモデルなのです。
おまとめローンで借りても結局、債務整理をする人が多い
おまとめローンは、すべての借金を返済する分を新たに借金する訳ですから、借入額も大きくなります。そのため、返済期間は長期間になりますし、毎月の返済額も少なくありません。 返済額が大きくなるという事は生活は決して楽になりません。
問題なのが、その返済期間中に、急な物入りが必要になり完済した消費者金融についつい手を出してしまう人があとを絶たないという事です。 その後は結局、消費者金融から借入れを重ねてしまい元の多重債務者に戻るというパターンがよくあるのです。
こうなると、おまとめローンと他の借金で結局は首が回らなくなり、債務整理に解決を求めるしか方法が無いという事になってしまいます。それであれば、おまとめローンで借入れをする前に、もっと早く債務整理を選択しておけば借金返済の苦労をせずに済んだと言う事になります。
しかも、任意整理で解決できたものが、おまとめローンで借入れしたばかりに自己破産しか方法が無くなるという事が考えられます。
おまとめローンのまとめ
前述の通り、おまとめローンは、多重債務者にとって魅力的な商品に映るものです。 しかし、借入れ癖が抜けない人が手を出すと、現在よりも状況が悪化する事になりかねません。
リスクが高い商品であるという事を理解した上で利用を検討しないと痛い目に遭います。