借金の残高計算の落とし穴!返済する前に正確な残高を知ることから始める

structure of a debt

本当の借金の残高はいくら?

今、残っている借金いくらですか?

そう聞かれたら、明細書に記載してある残高を応える人が多いと思います。でも、それって本当の残高ですか?

仮に、消費者金融から10万円借りたとしましょう。翌月に1万円を返済すれば9万円が残りの借金です。

・・・いえ、そうではありませんね。

利息を含めての1万円になるので、年利20%に換算すると、実際に返した元金は約8,000円です。ですから、1万円を返済したあとに残る借金の残高は9万2,000円になります。

では、1年で返済したときを考えると、いかがでしょう。上記の例で単純に計算すると、年利20%で完済時の合計金額は約11万2,000円になります。

よって、本当の借金の残高は11万2,000円が正解なのです。

これよりも借りた額が大きくなり、返済期間が長引けば、実際の残高とはかなりかけ離れてしまうことが分かります。

過払い金の利息の引き直し計算

現在の法律で定められている利息の上限は年利20%です。これ以上の利息が設定してある借金は、20%を超える利息について無効となります。

例えば、29%で10万円を借りた場合、初回に1万円を返済すると含まれている利息分は約2,500円です。利息20%のときは約2,000円でしたので、およそ500円の利息を無駄に支払っていることになります。

つまり、この500円が「過払い金」です。

1年で返済したとき、年利29%で返済を続けると、完済時の合計金額は約12万円になります。これは本当の借金の残高ではありません。

この中には違法な利息分が含まれているため、利息を20%に直して計算したときの金額が本当の借金の残高となります。

このように違法な利息を正常な利息に戻して、本当の借金の残高を確かめることを「利息の引き直し計算」と言います。

債務状況は人それぞれですので、過払い金請求の一連の流れを知って、自分の過払い金がいくらなのか確かめることからスタートになります。

騙されるな!本当の借金の残高をきちんと把握しよう

今回は2つのパターンについて借金の残高を確認しました。

  • その1 利息を計算していない借金は本当の借金の残高ではない
  • その2 違法な金利が含まれている借金は本当の借金の残高ではない

いかがですか?

借金において利息が大きな負担であることを、お分かりいただけるはずです。

1については自分の知識不足なので仕方のないことですが、2に関しては「過払い金」の問題が関係してくるのでしかるべき対処をとらなければなりません。

自分の正確な借金残高を知る

知らず知らずのうちに無駄な利息を払い続けている人が、いまだに多くいます。しかし、過払い金が分かったとはいえ、対処するとなれば複雑な処理が求められます。

過払い金返還請求や任意整理といった「債務整理」が関わってくるからです。こうした手続きには、法律の知識や段取りが欠かせません。そのため、一般には専門家や弁護士に相談するよう促しています。

借金問題は複雑な計算や債権者との交渉などの手続きが必要になるので、専門知識を持たないまま処理してしまうとトラブルの元です。

この機会に本当の借金の残高を確認してみてはいかがでしょうか。

もし、過払い金が発生していれば、現在の借金を大幅に減額できるチャンスかもしれません。

Top