【120年ぶりに民法改正】借金、売買、賃貸契約などの法律が新しくなる!気になる変更点のまとめ

民法改正

平成28年度以降に日常生活に影響するような大きな法律改正がおこなわれます。

しかし、120年ぶりに法律が見直される!なんて聞いても、さほど興味がわかないですよね。

当然のことです。だって「普段の生活で法律が役に立つことなんてない」そう思う方がほとんどだと思います。

あの、人気漫画「ナニワ金融道」を例にするなら、「法律は守ってくれない。知っている者だけの味方や!」こんなセリフがありましたが、まさに名言ですね。

残念なことに、法律は知っている人の味方にしかなりません。知らなければ損をしてしまうこともある、それが法律の現実です。

私たちの身の回りの法律として代表的な法律が「民法」です。

そのほかに、刑法と憲法があります。では民法・憲法・刑法の違いはなんでしょうか?

そもそも民法って何?

大きな違いは、「公法」と「私法」です。

簡単に説明すると以下となります。

  • 公法・・・個人と国との関係で成立する法律
  • 私法・・・個人と個人の関係で成立する法律

法律上では、個人のことを「私人」と言います。そのため、私法と呼ばれているわけです。

例えば、交通事故で訴訟になれば警察が関与しますので事件は公法として扱われ刑法の範囲となります。しかし、損害賠償が関われば民法の出番です。

交通事故の損害賠償

このように、状況や内容によって法律の範囲が異なってきます。では、私たちの生活につながりの強い民法とは、具体的にはどのような場面で役立つのでしょうか。

主に民法は、売買や賃貸、借金や保証、担保など財産に関することや、婚姻や養子、相続や遺言といった家族や対人関係に関するルールを定めた法律です。

民法を細かく分類すると1000以上の項目(条文)があり、弁護士など専門家でも暗記するのは困難なことです。

民法の何が変わるの?

さて、民法が120年ぶりに見直されるわけですが、具体的には「債権」に関する法律が新しく生まれ変わります。

これから国会審議などを得て、具体的に施行されるのは平成28年度以降になると言われています。

これが施行されると借金や契約に関する法律が変わります。

その1 「法定利率」の見直し

法定利率の法改正

法定金利の説明は以下となります。

法律により定められた利率。民法上は年五分,商法上は年六分。利率の約定がないときに適用される。

簡単に説明すると、お金の貸し借りで利息を取り決めていない場合などにおいて自動的に適用される利率です。

現状の民法では法定利率の上限が「年利5%」です。

今回の見直しで法定利率が「年利3%」に引き下げとなりました。

また、借金だけに限らず、法定利率は損害賠償金にも関係します。

交通事故が原因で休業補償を加害者に損害賠償請求する際、休んでいた期間に法定利率分の利息が発生しますが、この利息を休業補償の合計から差し引いた金額が被害者の受け取る金額です。

【参考】休業補償とは[意味/説明/解説] – 交通事故の慰謝料・示談SOS
http://www.koutsujikosos.com/yogo/about28

法定利率が3%に下がることで、これまでよりも差し引かれる利息分が少なくなるわけですね。

借金にしても損害賠償にしても、たかが2%と思いきや、金額が大きくなれば差し引かれるトータルが変わってくるので大きな変化と言えそうです。

その2 特定の債権(借金)の「時効」を統一化

債権時効の法改正

一般的に借金の時効は10年です。しかし、特定の債権(借金)については10年よりも短いものがあります。

ホテル・旅館の未払い宿泊費は1年、授業料は2年、病院代など医療費は3年といったように時効がバラバラでした。

法律が新しく見直されることで、これら特定の債権の時効が「5年」に統一化されます。

その3 連帯保証人の制度について

融資の保証人制度の法改正

企業の借金について、役員や取締役ではない第3者が融資の保証人になる場合、これからは「公証役場での面談」が義務となります。

融資の保証人になることで生じるリスクを、保証人になる前に理解するためです。

今回は事業の融資に関する保証人の制度だけが見直しとなり、個人の賃貸契約や金銭消費貸借契約に関する保証人には適用されません。

その4 賃貸契約に関する「敷金」と「修繕費」の見直し

賃貸契約の法改正

アパートやマンションといった賃貸契約では、退去時に「修繕費」「敷金」から差し引かれていました。

しかし、さほど傷つけていない場合でも敷金が返金されないという貸主側の解釈がトラブルの原因となっていたのです。

法律が見直され、これからは、敷金で差し引かれる修繕費を「退去人(賃借人)が壁に穴を空けたり故意に壊したりなど重度の場合」に限定しました。

また、「建物の劣化が原因と判断できる修繕は退去人に負担させてはならない」という明確なルールも設定されました。

この法律とは別の話になりますが、最近は日本の空き家問題を解決するために「賃貸物件を自由にリフォームできる制度」などが認められ、退去時に修繕費が必要ない賃貸契約が増えてきています。

[参考]「賃貸物件は自由にリフォームできるようになった!退去時に原状回復しなくてもいいという新しいルール」My Home Hacks

「約款」に関する法改正は現在も審議中

携帯電話や保険や旅行ツアーの契約時に目にする「約款」は現在審議されています。

これは、ダイエット器具をレンタルすると一緒に高額のサプリメントが贈られてきたり、購入金額の20%の違約金を支払わせるなど、悪質な売り手と消費者のトラブルが絶えないことで見直されることになりました。

これからは、予想ができないような定期利用の強要や、不当な違約金請求は否定できるようになるかもしれません。

しかし経済団体の反発で未だ審議中となっています。

おまけ

今回の民法改正はお金にまつわる部分ばかりです。

知っておくことで色々な場面で武器になりますが、その他の知識が浅い状況では使い道がないことがほとんどです。

餅は餅屋という言葉があるように、お金の問題(特に借金など)は専門家に任せる方が得策かもしれません。

【参考】債務整理サーチ – 過払いと自己破産に強い弁護士、司法書士を紹介!
https://saimu-search.net/

法律が120年ぶり見直される!まとめ

今回の「債権法」は120年ぶりの見直しとなりましたが、そのほかにも日本の法律は少しずつ変化しています。

代表的な例を言えば、サラ金を主な対象とした「グレーゾーン金利の廃止」など過払い金を取り戻すことで債務者にとって大きな救済となりました。

ですが、普段から法律を把握しておくなんて非現実的な話です。かといって、法律を知らなければ損をしてしまう場合もあります。

そういった問題に対処する身近な解決策が弁護士と言えるのではないでしょうか。

最後に、もう一度。

法律は知っている人の味方にしかなりません。知らなければ損をしてしまうこともある、それが法律の現実です。

せっかく用意されている法律ですから、トラブルや問題が起きた際には法的な解決策を視野に入れて、なるべく損をしない暮らしを送りたいものですね。

<120年ぶりに見直された民法の変更点>

  • 法定利率が年利5%から「3%」に変更された
  • 10年未満の時効の債権(借金)が「5年の時効」に統一された
  • 事業融資の保証人になる場合、公証役場での面談が義務化された
  • 賃貸物件の「敷金」や「修繕費」に関するルールが新しくなった
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