多重債務とは、複数の貸金業者から借入れがある状態のことです。貸金業者に返済するために別な貸金業者から借入れをおこなうという、自転車操業のような状態を指します。
多重債務者は国内には200万人以上いると言われており、この借金が原因で債務整理を選択する人が後を絶ちません。また、最悪なのが多重債務者が増えることで犯罪、夜逃げ、自殺などの社会問題が増加するという事です。
多重債務者の借金理由
金融庁の調査によると、多重債務者の借金理由で最も多いのは、失業や病気による休職など収入減による生活費の不足です。これに、買物などによる浪費、住宅ローンの返済、事業費の補填、パチンコ・競馬などのギャンブル・遊興費、保証人・借金肩代わりなどが続きます。
借金理由はそれぞれですが、共通して言えるのは消費者金融などから安易な考えで借入れを繰り返した事が原因です。一度多重債務に陥ると、毎月の返済額が膨れ上がります。
その人の経済状況が劇的に改善されない限りはすべての債務を完済するのは難しいと言われています。
多重債務が原因による破産者の数はピーク時の毎年25万人(平成15年)から大きく減りましたが、それでも年間8万人(平成25年)を超えます。また、年代別に見ると30代~50代が最も多くなっています。
多重債務のはじまり
多重債務者になる原因は、生活苦、浪費、保証人などケースは様々ですが、「借金しても何とかなるさ…」、「来月には返済できる…」などの甘い見積りの繰り返しに起因している事が多いようです。
また、多重債務者の中には真面目な性格の人が多いのも特徴です。借りたものは必ず返さなくてはならないという考えから、あちこちで借入れしてせっせと返済を繰り返した挙句に多重債務者になったという人も少なくありません。
借金は返済するのは大変ですが、つくるのは意外に簡単なものです。日本全国どこの町にも中心地には消費者金融の店舗やATMがありますし、銀行やコンビニでもクレジットカードによるキャッシング利用は可能です。
お金を借りる場所というインフラが整備されているため、借金するのが簡単なのです。さらに、町中にはパチンコ店や馬券売場などのギャンブル場がありますし、ブランド品を売るデパートや専門店も多く、お金があれば簡単に欲求を満たす場所があります。
多重債務の解決方法
多重債務の解決法は、まず「借入れをできるだけしない」という事であり、多重債務になってしまった人は、できるだけ速やかに「債務整理する」という事です。
また、多重債務者にならないためには、「収入を超えた支出を控える」、「ギャンブル遊興はほどほどにする」、「保証人など肩代わりとなるようなサインはしない」など生活改善が必要となり、安易にキャッシングやローンは利用しないという固い意志が必要になります。
すでに多重債務者になってしまった人は、借金の専門家(弁護士、司法書士)へできるだけ早く相談する事が正しい選択です。頑張って借金と返済を繰り返しても元本が減らないようであれば、法的手続きである債務整理により借金問題を解決するしか方法はありません。
債務者の中には、「自己破産だけは絶対したくない」という人がいますが、債務整理には破産以外にも任意整理、個人再生などの手続きがあります。
まずは、自身の借金状況に適した解決法を専門家に相談してみましょう。
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