
住宅ローンの返済で苦しんでませんか?また、多重債務になって家を手放すことを考えていませんか?
そんな住宅ローンの返済が厳しくなった人にとってメリットが多い債務整理の手続きが個人再生です。個人再生は、住宅ローン特則という制度を利用して住宅ローンを残して他の借金だけを大幅に減額できる債務整理の手続きなのです。
しかし、個人再生は裁判所に申立てをおこない、再生許可を得る手続きですので、クリアしなければならない問題はたくさんあります。ここでは、個人再生と住宅ローンに関して解説していきます。
個人再生をする人が増えている背景
最近では、減給、リストラ、倒産などの影響を受け、住宅ローンの返済を苦しんでいる人が数多くいます。そのため、家を競売にかけたり、任意売却するひとが増加しています。
もし、多重債務に陥っても、思い入れがあるマイホームだけは手放したくないなら、個人再生は有効な手段です。自宅を競売に掛けること無く債務整理ができるので、利用者も増えています。
住宅ローン特則によりマイホームを残すことができる
住宅ローンの支払いが困難になった場合、信用保証会社から催促が来ても滞納が続けば、やがて住宅は手放さなくてはならず競売にかけられてしまいます。
また、たとえ住宅ローンの滞納がなくても、他の借金が支払困難になって自己破産すれば、住宅は有無を言わさず没収されてしまい、同じく競売にかけられます。
住宅を処分されるのは困る、けれど住宅ローンは支払えないという場合、個人再生を申立てるという選択肢があります。個人再生では自己破産と違い住宅と住宅ローンは残したまま、他の債務を整理するということができます。
個人再生とは、2001年4月に民事再生法が法改正されて生まれた制度です。一説には、住宅ローンの返済で苦しむ人を救済するために作られたとも言われています。
個人再生は自己破産のように全ての借金を帳消しにする制度ではなく、現在の状況に応じた支払い計画を立て、この計画によって3年間返済を続けることにより、残りの借金を免除してもらえる制度です。
そして、個人再生では、住宅ローンはそのままにして他の借金を減らすという住宅資金貸付債権(住宅ローン)の特則を利用することができるのです。
なお、個人再生を利用するには、住宅ローンを除いた債務の総額が5,000万円以下でなければなりません。また、無職ではダメで、将来にわたって継続した収入があることが必要です。(アルバイト、パートでも可能)
さらに、住宅ローン特則を利用する場合には、住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと、住宅の床面積の2分の1以上を自己の居住用として使っていることが必須条件になります。住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンの残額はそのままで、無理のない返済方法に変更して返済を続けることもできます。
自宅として使用していない住宅(不動産)はどうなるか
自宅以外にセカンドハウス、別荘、土地、投資用マンションなどを持つ方がいますが、個人再生ではこれらの不動産については必ず処分しなければいけないわけではなく、その不動産の価値によって処分されるかどうかが決まってきます。
個人再生では、最終的に債務の一部が免除されることになりますが、債務者が持っている財産の総額以上は必ず返済しなければなりません。
例えば、時価1,000万円の不動産を持っていれば、個人再生を申立てても、債務が1,000万円以下に減るということはありません。つまり、時価評価額が高い不動産であれば、手放さなければならないこともあります。
また、その不動産を担保にして融資を受けている場合にも、不動産を処分せざるを得ません。
個人再生手続では、抵当権などの担保権は別除権と呼ばれ、再生手続とは関係なく、担保権者により権利行使されてしまう、つまり競売にかけられてしまうからです。
個人再生後に新たに住宅ローンを組むことはできるか
個人再生を申立てると、信用情報機関に事故情報として登録されることになります。
信用情報機関というのは、金融機関が貸付を行う際の審査に役立つ情報が登録されている機関で、氏名や生年月日、住所、勤務先などの個人の基本情報のほか、現在の借入状況や借入金額、最終返済日などが登録されています。
なお、ここに自己破産や個人再生、債務整理などの事故情報が登録されることを、一般的にブラックリストに載ると言います。
金融機関が融資の審査を行うときには必ず信用情報機関に照会をかけますから、事故情報があれば審査に落ちてしまいます。そして、信用情報機関から事故情報が抹消されるまでは5~10年かかりますから、その間は新たに住宅ローンを組むことはできません。
この期間は、新規の借入だけでなく、住宅ローンの借り換えも困難です。5~10年の期間が過ぎ、信用情報機関から事故情報が抹消されれば、住宅ローンを組むこともできますし、借り換えもできるようになります。
- 個人再生と住宅ローンのポイント
- ・住宅ローン特則を利用すれば、住宅を残して、その他の借金を大幅に減額できる
・残った債務を原則3年間で計画的に返済していく
・住宅ローンを除き債務総額が5,000万円以下でない申立てができない
・自宅以外の不動産は時価評価額が高いものは手放さなくてはならない事がある
・個人再生をすると新たな借入れ、ローンは組めなくなる(ブラックリスト)
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