過払い金には「時効」というものがあります。請求権利はいつまでも残っているわけではありません。
過払い金の返還請求のタイムリミットは最終取引日から10年目です。それを過ぎると請求権が消滅します。
借金を完済した日から数えて10年目、あるいは最後に返済した日から10年目が請求権の時効になります。例えば、平成15年1月1日に完済した借金であれば平成25年1月1日までは過払い金を請求することが可能です。
時効を超えると過払い金を請求することが困難になります。そのため、請求権利が消滅する前に過払い金の回収を急がなくてはなりません。

過払い金の時効は貸金業者との最終取引日によって違う
過払い金の請求権は最後に取引した日から10年目が時効になります。請求権の時効で気をつけなければならないのは貸金業者によって時効が異なるケースがほとんどだということです。
全ての貸金業者の最終取引日が同じ日であれば時効日も同じです。しかし、多くの人は最終取引日はバラバラだと思います。
消費者金融A社は2005年が最終取引日、B社は2008年が最終取引日、といったように最後に返済した日が違えばそれに応じて時効のカウントも変わってきます。
5社あるうちの2社が時効になっていた…、なんてことも例外ではありません。知らない間に過払い金の請求権が時効を迎えていたということが無いように、できるだけ早く自分の過払い金の発生状況と時効の有無を調べなくてはなりません。
貸金業者が倒産したら請求できなくなる
過払い金の返還請求が認められる期間は最終取引日から10年目ですので、時効となる前に請求しなくてはなりません。
この時効と共に心配なことが貸金業者の倒産です。請求権が発生していても貸金業者が倒産してしまえば、過払い金を取り戻すことが困難になります。
一つの例として2010年に経営破綻した大手消費者金融の武富士の例があります。
武富士の倒産時には、過払い金の返還請求でトラブルが相次ぎました。本来であれば請求額の全てを回収できるはずだった人が、ごく一部しか回収できなかったり、あるいはまったく返金されなかった事例が頻出したのです。
また、武富士の場合は、経営破綻後し会社更生法が受理されて、新たな事業継承会社がでてきましたが、新会社が事業再開するまでは過払い金の返還手続きはストップしていました。
残念ながら、その新会社が事業活動を再会するまでに時効になってしまった過払い金がたくさん出て回収できなかった人が続出して社会問題となりました。
このように、貸金業者も過払い金の返還により会社の体力が弱くなっており、いつ倒産してもおかしくないような貸金業者がたくさんあります。そのため、できるだけ請求は急ぐ必要があります。
過払い金が時効になる前に
最近、過払い金請求のテレビコマーシャルを見かける方も多いと思います。これは過払い金の時効が迫っているため、請求権のあるうちに急いで請求しましょうと弁護士、司法書士が促しているわけですが、もし過去に貸金業者と取引があった人なら請求しないと損だという事は間違いありません。
過払い金は、過去に貸金業者に返済し過ぎた利息が戻ってくるという制度ですので、正当な権利です。
まずは、ご自身の過去の借金状況を弁護士、司法書士に伝えれば過払い金の有無がだいたい分かります。これらの専門家に一度電話相談してみるだけでもやってみる価値はあると思います。
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